安保理改革はこれで終わりか? 今夏、G4が国連総会に提出した安保理改革の枠組み決議案が、前総会会期の終了と共に廃案になりました。大いに残念なことでした。その結果、気の早いところでは「安保理改革は完全に失敗した」「外務省は責任を取れ」といった批判も出ていますが、本当に安保理改革は頓挫したのか。
私はそう考えていません。安保理改革は第一幕が終わったに過ぎず、これから第二幕に入っていくのだと、私は考えています。もちろんG4の決議案不採択について、外交当局として総括する必要はあります。最終的にG4の支持に回るとしていたAU(アフリカ連合)諸国の動きやG4案に反対した米国・中国の動き等について、より掘り下げた分析は必要です。
しかしながら、G4案に対する国際社会の3分の2に近い国々の賛意や安保理改革に対する国際社会の広範な支持という事実を否定することはできません。「改革の機運」は衰えていない。このことは、第二幕に臨もうとする私たちにとって大きな支えであります。
これから大事になる米国との連携 今後重要なことは米国との緊密な連携です。すでに米国は繰り返し「日本の常任理事国入りを強く支持する」と表明している。これは、決してリップサービスではありません。今回の一般討論演説においても、ライス国務長官は、「米国は安保理の拡大を受け入れる用意がある。米国は日本の常任理事国入りを長らく支持してきた。そして、安保理における発展途上国の代表性は高められるべきだと信じる」

日米外相会談(ウォルドルフアストリアホテル 9月17日) と述べました。国連総会という厳粛な場で、国際社会に向かって、米国外交の責任者が安保理改革について明確に発言されたことは重大です。その発言は率直に受け止めてよい。私はこうした前提に立ち、安保理改革について、米国と本格的な協議に入ろうと考えています。
また「今回のG4決議案は採択には至らなかったが、それなら、共に戦ってきたG4とのこれからの連携はどうするのか。縁を切るのか」との意見があります。このたびのG4の結束と運動は、戦後長い間「夢物語」と思われて来た安保理改革を、実現可能なものとして国際社会に認識させました。これは大きな成果です。ここまで国際社会を引っ張ってきたG4の推進力が大きなものであればこそ、G4との新しい協力のあり方についてもより深く検討する必要があると考えます。
特別首脳会合で採択された「成果文書」は、安保理改革を「国連改革の不可欠な要素」と位置づけ、その実現に向けて努力を継続し、国連総会において「本年末までに進捗状況をレビューする」としました。改革の機運は決して衰えていない。そして日本こそが改革推進の原動力です。改革実現までは山もあり、谷もある。しかし、国際社会全体の利益のためにも、具体的成果を早期に実現すべく、粘り強く努力していきます。