4月17日から22日まで、中国訪問及びアジア・アフリカ閣僚会議に出席して参りました。北京到着前日までに3週間連続して、上海等で大規模な「反日デモ」が行なわれており、私自身その「破壊的」な暴力行為には怒りを覚えていました。17日夕刻からの外相会談で、私は、中国・李肇星外交部長、唐家セン(王ヘンに旋)国務委員に「破壊活動や日本人に対する暴力行為はたいへん遺憾で、深く憂慮すべき状態だ」と抗議し、謝罪や補償に応ずるように中国側に強く求めました。
これまで我が国は、何故か主張すべき時に主張するという態度に欠けていたと思います。両国の関係を正しいものにするためにも、主張すべきことは主張するということが必要であると、私は考えています。
しかしながら一方で、日中の良好な関係を築くために、未来に向けた提案も致しました。
例えば、日中両国の専門家による共同歴史研究がその一つです。
日中間の歴史研究と言うと、これ迄は「日本による侵略の歴史」に目が行くわけですが、私は是非ともあらゆる偏見、思い込み、決めつけを排してゼロ・ベースで、一から真っ白な状態での研究を提案したいと思います。その研究には、第三者の国の専門家に入っていただくのもよいかもしれません。
日中間の歴史は二千年にも及びます。その間には、鎌倉時代、元の大軍が日本に来襲した元寇等がありますが、概して平穏な関係が保たれていました。
清朝末期以来、中国は欧米の列強や日本に踏みにじられて来た歴史があり、それが中国の対日感情を悪いものにしているという点は否めません。しかしまた、多数の中国の留学生が日本に来て学んでもいるのです。1911年の辛亥革命をリードした孫文が中国革命同盟会を結成したのは、日本においてであり、数多くの日本人が彼らを助けたという歴史もあるのです。
我々は「引っ越すことの出来ない隣人同士」なのです。互いに我慢すべき所は我慢しながら、根気よく、些細な点にはそう目くじらを立てず、付き合って行くべきだと考えます。その第一歩が、日中両国の専門家による共同歴史研究になると思うのです。